さて、本戦。
・・・の前に。スターティンググリッドに並べてる間に毎度おなじみ、撮影会。
あれ?若干名、足りない気もするけど・・・ほぼほぼ勢ぞろいの図。
これだけ大掛かりにレースをやっちゃいるけど、意外と少ないんだなぁ。
人手が足りなくて、一人二役とかもありましたもんね。みんな頑張ってます。
そして、ここぞとばかりに走改車楽の取材がやって参りました!
インタビューを受けてる監督の図。
もちろん監督のみならず、一番の功労者であるドライバーさん達にもインタビュー。
カメラ2台体制。
アホやってるところも撮って下さいます(笑)
そんなこんなで華やかに盛り上がってる中、レース開始の時間が差し迫って参りましたので、運営の方々に追われて蜘蛛の子を散らすようにパドックへと戻って来ました。
いよいよ、レース開始。
ローリングスタートのため、まずはフォーメーションラップから始まります。
13時00分、緊張の中、先頭車が動き始めました。
何でかコレ、こーゆー美味しい所の写真を撮り逃すと言う体たらく。申し訳ございません。
ゆるゆるとセーフティーカーに先導される中にもちょっとした駆け引きが行われつつ、手に汗握りながら見ていた観客をヨソに、スタートライン手前でセーフティーカーが引っ込む。
先頭車両がスタートラインを越えると同時にフルスロットル。
もちろん、後続車両も続々とフルスロットル。
観る方も去ることながら、乗っていたドライバーはさぞかし緊張していたことでしょう。
レース中ともなれば、どの場面も大事です。一瞬の隙が、抜いた、抜かれたに繋がりますから。
しかし、他のチームと同条件で始まる最初、まさしくスタートの一瞬から少なくとも30分くらいの間というのは『レースの流れ』を作るためにも肝となる重要なポイントであるのも、また事実。
このたび、トップバッターで走ってくださることになりました世界のF市氏は、今まで何度もドライバーをして下さってましたが、一番手で乗るのは初めてとのこと。
食べ物もノドを通らないほど、いつも以上に緊張されていらっしゃいました。
そしえ何よりも気にしておられたのが、レースの流れを作ること。
いかんせん、周りにはVTECやらターボ車やらと速いクルマがわんさか出場している中、当チームが送り出すのは、コーナーでは距離を詰められるが直線で離される非力なシティ 393号。
サーキットもそこまで広くはないので、抜きどころも難しい。
序盤はいかに速い車にくっついて、抜かれずに順位をキープするかに掛かっているといっても過言ではございません。
かといって、最初から飛ばしていたのではタイヤに負担が掛かりすぎるので、3時間走りきることも出来ない。
また、下手に抜かれまいとして粘っても事故を起こしてしまっては、元も子もありません。
序盤を走るドライバーさんには、この微妙な駆け引きのサジ加減を求められるので、それはそれはストレスだったことと思います。
し・か・し!あなどりがたし、世界のF市!『世界の』名前は伊達ではございませんでしたとも!!
周れど周れど、出てくるタイムは1分35秒台。
後に聞いた話ですが、人知れず監督より”35秒台で走って”の指示が飛ばされていたようです。
確かに本戦前、F市さんはこう仰ってました。
『コンスタントに、淡々と。耐久レースでは、これが大事だと思う』
それを忠実に守る、世界のF市。
その甲斐もあり、徐々にではありますが順位は上がってきておりました!
・・・と、順調なTeam WRにのん気に構えておりましたら、急にピットの方が騒がしくなって参りまして。
ピットはお隣のZ-SPECさんと共用。
その為、Z-SPECさんの動きもそれなりに分かるのですが、始まって30分が経ったときにマシントラブルが発生した模様。緊急ピットインとなりました。
入ってきた999号 DC2は、なんとボンネットからモウモウと白煙を噴いておりました。
どうしたことか!?
一番手で乗っていたZ-SPECの社長は999号 DC2から降りるやいなやボンネットを開けるも、その瞬間に冷却水の焼けるあの独特の甘い(?)ニオイがもわわわぁん、と。
何がどうなったかは分かりませんが、何しか冷却水がマズイことになっているのは間違いない模様。
オイル用のジョッキはあるが、頭が水道に入らないので水が入れられない。
空のペットボトルに水を入れては、エンジン、ラジエータに掛ける。また、掛ける。さらに掛ける。
そのたびに、白煙が。
後ろでは、大型扇風機を構えて空冷。
ラジエータキャップを開けると緑の液体が噴き出してくるも、気にしちゃいられない。
ラジエータの中に水を入れる。入れる。入れる。
2Lのペットボトル1本分くらい入ったのではなかろうか、という勢いで水を足したらキャップを閉め、ドライバーチェンジと給油をして出走。
あの状態でも諦めないか・・・。
レースは続行のようです。次のピットインに備え、水をスタンバイ。
そして、出て行った999号とほぼ入れ替わりのタイミングで393号が一回目のピットイン。
Team WRはドライバー1人の連続運転時間45分を目いっぱい使い切ってのドライバーチェンジ。
ピットインを最小回数に抑えることも、大事な作戦のうちの1つです。まずは、クリア。
当日の朝から練習していたドライバーチェンジも、スムーズに。
ここでピットインの時間を計測していた係りが、50秒を過ぎたところから秒読みを。
ピットロード脱出までの時間がピットインの時間に含まれるため、残りのピットロードの距離から時間を逆算しての出走。
う~ん。今回は少し遅かったみたい。次からのピットインは少し早めに出ることに。
なんだか進化して行ってるなぁ。
走行して順調に周回を重ねていくこと15分。レース開始から1時間が経った頃には、順位は2位にまで上がっておりました。
あまり抜いたとか聞いてないので、恐らくはピットインが差になってるのではないでしょうか?
かくして、不安の中走るであろう999号も、今のところは大きなトラブルの無い393号も順調に30分が経過しようとしておりました。
先にピットインするのは、トラブルにより早くドライバーチェンジをした999号。
相変わらず白煙を噴きながら、甘ったるいニオイと共に到着。
すぐさまスタンバイしていた水を掛けながら、ドライバーチェンジ。
クラス3に属する999号は、4分以上のピットインを3回以上という規定があるため、このときに給油も行う。
そして吹き返す冷却水と格闘しながら給水も終わり、出走。
走改車楽さんも、その様子を撮影されてました。
その後、当チームの屋台の方へお越しくださり、おでんを召し上がって頂きながらしばしの歓談。
そんなことをしておりました、393号がピットイン。
今回はこちらも、給油。
給油中はドライバーチェンジ以外の作業が禁止されているため、その合間にナルシーより直々のアドバイス。
おぉ~、何だかカッチョエエぞ!
393号はクラス1に属するため、給油は1回でO.K。ここを無事に乗り切れば、この後よっぽどなトラブルでも無い限り順調に行ける!!
そんなこんなで給油も終わり、ホイールの締め付け確認、タイヤの空気圧、油脂類の点検等をササッと行い、余裕を持って4分のカウントを待つばかり。
前回の失敗を踏まえ、早めのカウントスタートに、早めの出走。今度はバッチリ☆
こうしてコースに戻った頃には、3位に。
しかし、レースはまだまだ折り返し地点。他チームのピットインもありますし、チャンスはこれから!
と、それから間もなく、再度お隣のZ-SPECさんところがピットイン。
やはり、無理を承知で続行するにしても、状況はかなり芳しくないようです。
先程の給油から30分と経ってない中、ドライバーチェンジと給油と冷却水の補充。
いずれにせよ、給油は3回しないといけないので、致し方ないっちゃ致し方ないのかもしれませんけどね。
さすがに給水も手馴れたもので、きっちり4分でコースインしていきました。
そこからさらに10分ほど経過しました、3時ちょっと前くらい。2時50分頃でしたでしょうか?
周回数が60周を数える頃、なんとなんと393号がトップに躍り出ているではありませんか!!
クラストップじゃありませんよ、総合でトップですよ!
ほ~ら見てみぃ。軽量バンザイ。コンパクト最高。給油回数少なくて済むのは、伊達じゃない!クルマは馬力だけじゃないんだぞ~!
と、ちょっとひがみ混じりにドヤ顔しながらもテンションは最高潮。ピット内では・・・意外と静かに喜んでいました。
むしろ、当然!みたいな感じ??
しかし、ここからは追われる方の緊張感が出てくるのですね。
トップとは言っても、2位との差は僅か。少しの隙でいつ抜かれてもおかしくない状況。
トップを守りきるのも、至難です。
ちなみに今さらですが、レース開始当初よりトップ争いをしていたのは、ベストラップが1分28秒とか鬼速のS14とEG6をはじめとするホンダ勢。
ってか、シティもホンダだ!
あと、注目株は前のレースで393号とトップ争いをしたラリー屋さんとこのフィットに、ジムカーナ屋さんのヴィッツ。かなりの強敵な予感。
そして、今。トップを走る393号に続くは、ヴィッツにEG6にフィット。ほら見たことか~。
同周回、差は1分とありません。緊迫してます。
なんてったって、ヨソ様は直線も速いからね!いつでも抜けます、抜くタイミングを虎視眈々と狙ってます、ってなモンでしょうね!
ウチはコーナーをいかに速く脱出して、直線で抜かれないうちに次のコーナーへ逃げ切るって感じですからね!失敗できないんですよ。
そうこうしてる間に、3時になりました。オヤツの時間です。
違います。レース開始から2時間経過。Z-SPECさんが再三のピットイン。水の補給のみ。
まるで嫌味のようにしつこいですが、393号は快調に走っております。
しかしながら、後続車には着々と距離を詰められてきております。
1周1分35秒で逃げるシティに、1分30秒~32秒くらいで追っかけてくるわけですからね。
周回数を重ねるごとに差は縮まるばかり・・・こんな時ばかりは、馬力が欲しくなったりしますよね。
で。辛うじてトップをキープしたまま、20分が経過。
いよいよ3回目、最後のドライバーチェンジの時がやって参りました。
このとき、2位との差は2秒!まさかの、2秒!・・・2回言ってしまいました。
危なげなくドライバーチェンジも完了、さぁ出走か!と思った矢先、シティの左フロント側に立っていたナルシーから衝撃の発言が。
『ロアアーム、緩んでんちゃうか?』
↑まさしく、言ってる瞬間と思しき写真ですね。
嫌ぁぁぁ、聞きたくなかった、その言葉ぁぁぁ!!しかも、このタイミングでぇぇぇ!?
と心の中で叫んだのは、私だけではない・・・ハズ。
かといって、ウダウダ言っては居られません。
監督自ら、水溜りも何のその。頭が濡れるのも構わず、下にもぐる。
メガネを掛けるも、ナットの場所を見失う。
上側か、下側か。とあくせくしていたら、Z-SPECの社長が手伝いに来てくださいました!まさしく神の救い!!
タイヤ側からも確認するが、ナットが緩んでいる様子はないという。
しかし、左フロントホイールはガクガクしてる。
しばらく格闘し、締まりました!の掛け声の元、2分のタイムロスを経てコースに戻っていった393号。
トップとの差は56秒に。
と、自分ところのチームもドタバタになってしまいましたが、Z-SPECさんの999号も大変です。
393号が出て行った数分後に、またまたピットイン。最後のドライバーチェンジで、社長に託されました。
何とか無事に完走してもらいたい、と願わずにはいられません。
一方、3時半を過ぎた頃、393号はトップとの差は40秒!毎周1~2秒ずつ縮んではいるが、果たして4時までに追いつけるか、ギリギリ間に合わないか・・・非常に際どい線を走っておりました。
さらに、前だけ見てりゃ良いわけじゃありません。
後ろからも迫り来る殺気!!
ってか、順位ばっかり気にしてて、トップすら誰だったか記憶が定かでは無いのですが・・・。
このとき、トップはラリー屋フィットだったかな?
後ろに続くはS14とEG6、ヴィッツと続いていたのだったかな?
そしてS14に抜かれ、EG6に抜かれ、気が付けば4位にまで転落。
もはや上位3台に追いつけなければ、総合での表彰台入りすら無理かと危ぶまれて残り10分ごろ。
何たる奇跡、S14がトラブルによりピットイン!この隙にと、順位を3位に上げ、全力でEG6を追いかける!
そして、あともう少し・・・!!というところで4時を迎え、レース終了となりました。
結局、そこから順位は変わらず。
1位フィット、2位EG6、3位393号となりました。
後になって気が付きました。トップ3、みんなホンダ車ですね。
そしてTeam WR、トップとの差は15秒。
2位との差は11秒。
本当に、どこが勝ってもおかしくない僅差での勝負となりました。
帰ってきたところで、勝利の(?)インタビュー。
お疲れ様でした、Z-SPECさん所の999号。
最後の最後でピットインしたS14、ウワサではマフラーが落ちたらしいですよ。
チャリチャリ引きずりながらコースに戻ったみたいで、コーナーの度に火花散らしながら男前に爆走してたらしいです。
いかんせん速いもんだから、猛追するS14とかメチャメチャ怖かったですよ。
さらに帰ってきたシティ、左フロントロアアームはどないなってるんかと思いきや、ガクガク。むしろ、ガックガク。
見てビックリしてください。ほら!
なんかね、もうね、よくタイヤ外れなかったよね、って逆に褒めてあげたくなりません?
結局、ナットは緩んでなかったんです。まぁ、溶接してますからね。
何とまぁ、ロアアームがボキっと・・・骨折?
ちょっと分かりにくいですが、こんな感じです。
ズーム イン!
その一方で、総合1位になったラリー屋フィットは、ベストラップ1分36秒と、実はそこまで速い!というわけではないようです。(そーゆー走りをしてなかっただけだとは思いますが)
↑撮らせて頂きました☆せっかくなので、エンジンルームの中もどうぞ♪(良いのかな?)
ということは、やはり耐久レースというのは1周の速さじゃないんですよね・・・。
ならば、何で勝ったのか。
総合力。
この一言に尽きると思います。
もちろん、ドライバーさんのテクニックは必須ですが、ドライバーさんをサポートするチーム力もあってこそ。
そして、ココ大事です。
壊れない車。
ラリー屋さんフィット、以前にも参加されてますが、壊れたところを見たことがないらしいです。さすがラリー屋さん。
でもね、これ。本当に大事なことですよ。
壊れるかもしれない車なんて、ドライバーさんも不安で乗れませんしね。
結局、たら、れば、の話になってしまいますが、今回も最後に2分のロスが無ければ=壊れていなければ、総合優勝を果たせていた『かも』しれないわけです。
今回はクラス2位、総合3位と、ちょっぴり残念な結果になってしまいましたが、よくよく考えたら表彰台に登れたことは奇跡ですよ。
下手したら、シティのタイヤが転げていって、大惨事になっていたかもしれません。
大きな事故も無く、ドライバーさんが無事に戻ってきてもらえただけでも良しとしなければ、と思います。
また、最後のドライバーチェンジの時には気付かずにコースインさせてしまいましたが、以前オルタネータのベルトがちぎれ飛んでしまい、バッテリの電気だけで走らせたのとはワケが違います。
もし出走前に気付いていれば、万が一のことを考えてリタイヤしていただろうと監督は語っておりました。
結果オーライでしたが、前輪がガクガク行ってる中、ドライバーさんはさぞかし怖い思いをされたことと思います。
本当に、申し訳ないことをしました。
ということで、次回からは壊れない車作りを目標に、再びシティを修理&テコ入れしていく方向性でリベンジを狙います。
今回の表彰の様子と、戦利品たち。
コーラとポテチとか・・・。
メタボになれと言う、主催者側からのお達しなのでしょうか・・・(- -;)
きっと、次回に向けてウエイトハンデをもたせようという魂胆ですね!
ポテチは人気のコンソメパンチなので、残り僅かとなって参りましたが、コーラはまだまだありますので、消費しに来てください~!
こうして、朝も早くからバタバタしていたお祭り騒ぎも一段落し、みんなで手際よく撤収作業の後、終礼・・・とでも言うんですか?
ちょっとした反省会も含めて雑談会。
最後の最後に、ナルシーより締め&有難~いお言葉を頂戴しました。
曰く、『人とは欲張りな生き物で・・・欲には終わりがないもので・・・。一度、勝利の味を知ってしまうと、2位とか3位とかじゃ物足りないんですね。次は、表彰台の一番高いところを目指して頑張りましょう』とのこと。
きっと、あの場にいたほとんどの方は、そう思ってらっしゃったと思います。
ぜひ、次こそ総合優勝目指して頑張りませう!!
当日ご参加くださった皆様、本当にお疲れ様でした。
実際に参加して、見て、Team WRは素敵な、良いチームだと思いました。
どうもありがとうございましたm(_ _)m
また次回、8月10日(土)も宜しくお願い致します(笑)